今回の審査会は、二人の先生に加え苗場山麓ジオパーク佐藤雅一室長とガイド部会の大塚与四次さんと坪内恵理子さんからも審査に加わっていただきジオパークや学術的観点、ジオガイドとしての場所季節の思い入れやちょっと違う視点からも意見等をいただきました。
審査では、作品の見た目だけでなく一つの作品の撮影した場所や季節・時間など様々な説明が加えられ、滅多に撮れないレアな写真であることがわかったり、ジオパークのフォトコンテストらしい審査となり勉強にもなりました。
この日審査に関わった方々は、この苗場山麓を熟知し何より愛しているがゆえ、様々な意見やエピソードなども飛び出し、力作ぞろいでかなり難航しましたが楽しく活気のある審査会となりました。
<審査委員>
飯塚英春(日本現代写真家協会所属)
戸谷英利(日本現代写真家協会所属)
佐藤雅一(苗場山麓ジオパーク推進室長)
大塚与四次(苗場山麓ジオパークガイド部会)
坪内恵理子(苗場山麓ジオパークガイド部会)
- 審査員総評
- 審査は今回で4回目となり、回を重ねるごとに範囲も広く思っても見なかった作品なども見られるようになりました。部門を新しく設けたことにより冬や夏の写真、そして暮らしや伝統文化・まつりなどの写真も多くなりました。
その反面、ちょっと損をしている感じの作品も多く、人気のスポット・イベントなど過去に受賞している作品と同じ題材のものを作品にしようと思うと、前の受賞作品よりもかなり優れているものでないとなかなか受賞出来ない現実は否めません。非常に良い作品なのに残念ながら翔に入れなかったというものが今回は特に目立ち、他の人とは違う角度、目線、時間、気象環境等、個性を見いだせればもっともっと良い作品が仕上がるのではないかと思います。
次回、狙い目とするならば、案外題材が多そうな「春」や「植物」「暮らし」。これらの題材を素に自分の視点で捉えれば、入賞率も必ず上がります。イベントの背景としてジオパークらしいものをおいてみたり、いつもは止まっているものを動きのあるものに変えてみたり、人とは違った作品を心がけ更には、その思いを説明やタイトルに表すことも重要です。撮影された背景や撮影者の気持ち着目点など審査に大きく影響してきますので、今回説明が空欄だった方や撮影した場所のみの紹介だった方も多く、少し損をしているような気がしました。 - 今回、私達審査員の提案で初の「学生部門」というものを設けてもらいましたが、残念ながら応募が1名で非常に残念ですが、写真に興味を持つ若い方もかなり増えている中で、未来のプロカメラマンもこの苗場山麓ジオパークから誕生するかもしれません。ぜひとも写真に少しでも興味がある学生さんなど降りましたら挑戦していただきたいと思います。
次回も様々な皆さんの力作を審査せさせていただくことを心から楽しみにしております。
審査結果は以下のとおりです。(敬称は略させていただきます)
審査結果は以下のとおりです。
最優秀賞
「霧のベールに包まれて」
撮影者 … 比田井 友香
写真説明 … 2018年7月初旬、苗場山山頂にはコバイケイソウたちが寄り添い、まるで大きく波打ち、水しぶきをあげているかのような迫力ある姿がひろがってた。山頂ヒュッテ主人によると今年は花の当たり年。コバイケイソウがここまでたくさん咲いたのは4~5年ぶりとのこと。記録に残しておきたい姿である。霧のベールを纏うことで清楚さと奥ゆかしさがより引き立つ印象的な瞬間を、感謝の気持ちをこめて撮影した。
審査員から … 見た瞬間、驚愕してしまった素晴らしい作品。ベニサラサドウダンツツジとコバイケソウが、ワンフレームに収まり、更に奥には苗場山らしい池塘も見え霧も漂っている。季節感から情景すべてを感じさせてくれる色使い、構図ともにこれ以上にない完璧な写真。それに加え、作者の説明にもあるが、たしかに2018年の夏は、花の当たり年と言っても良いように、ベニサラサドウダンツツジとコバイケソウが、ここまで見事に咲いたのは、私(飯塚)の知る限り苗場山の記録をとり始めた44年前にさかのぼっても初めてではないかと思う。この一枚は今後何十年経っても撮ることの出来ない貴重な写真とも言え、苗場山麓ジオパークフォトコンテストの最優秀賞に最もふさわしい作品。春部門 優秀賞
「朝焼けの大地」
撮影者 … 村山 博
写真説明 … 津南町の河岸段丘展望台から信濃川と津南町を見下ろす展望台から撮っています。田に水が入り朝焼けがピンクに反射している景色です。新しい展望台のおかげで信濃川・ピンクの田・新緑がコラボした景色が気に入っています。
審査員から … 一昨年できた展望台からの作品で、田鏡に朝日が綺麗に写り込んでいる。田鏡は田んぼに水を張って苗が伸びてしまうまでの非常に限られた短い期間しか撮影することが出来ない作品。また、作品の中でも左右にうねりながら曲線美と存在感を感じさせる雄大な信濃川の色も美しく手前に咲く紫の藤も季節を感じさせる。秋部門 優秀賞
「秋の奏で」
撮影者 … 比田井友香
写真説明 … 光を浴びた夫婦滝の繊細な線。まるで自らが発光しているかのような、カ強く紅葉した葉。吸い込まれそうになるほど透明感に満ちた水。すべてが主役になるほど強い個性と存在感をもっているが、お互いを尊重するかのように調和している姿が印象的であった。染み入る感動のなか、呼吸をするようにシャッターを押した。
審査員から … 遠くに見える夫婦滝がまるでスポットライトを浴びるかのように輝いて主役を演じている。紅葉で埋め尽くされたこの作品は、手前を流れる川も空の青が映り込み、色鮮やかな紅葉に負けないくらいの存在感があるにもかかわらず、主役である夫婦滝へ視線を誘導する引き出し方、陰影テクニック、構図は非の打ち所がない。暮らし・生活部門
ニュー・グリーンピア津南賞
「ブラボー レインボー」
撮影者 … 若狭久男
写真説明 … 冬型の気圧配置が強まり、目まぐるしく天気が変わる。そんな10月31日の午後2時前、栄村・切欠集落の上に見事な虹が架かった。わずか数分だったが雲った空が晴れ渡り、青空を背景に美しい大自然の「ショウタイム」が繰り広げられた。「ブラボー、レインボー」、カメラのシャッターを切りながら思わずつぶやいた。これまで虹の架かる瞬間を幾度となく撮影しているが、これほど青空を背景にした虹は初めての撮影だ。
審査員から … 最優秀賞とも甲乙つけがたい作品。津南町と栄村をつなぐ橋のようにくっきりと鮮やかに架かった虹は、まさに苗場山麓ジオパークの根幹のようにも感じられる。ここまではっきりと鮮やかな虹は空前絶後とも言える。ノミネートは秋部門だったが秘境の中の暮らしが垣間見れる作品として審査員判断で「暮らし部門」に変更せせていただきました。祭り・伝統部門
かたくりの宿賞
「さいとり舞」
撮影者 …下 育郎
写真説明 … 8月末に行われた北野天満宮でのさいとり舞の様子です。後継者が年々減少する中、小学生2人が今年も元気にさいとり舞を奉納してくれました。また、中高校生は笛や太鼓で参加しています。地域の祭りを伝承する心強い若者たちでした。
審査員から … 今にも動き出しそうなダイナミックな構図で、動きがよく伝わってくる作品。この地域の未来を担う子どもたちが、演者のバックで一生懸命太鼓や篠笛を吹き、重要な役割を果たし、それを心配そうに見つめる大人たち。地域が手に手を取って子どもたちに伝える、伝統芸能たくましく育つ子どもたちに信頼感を抱いているようにも映る。植物・花部門
出口屋賞
「芽吹き」
撮影者 …松元澄夫
写真説明 … フキノトウ、土筆、桜、雪山を入れて、春満開の様子をシャッターにおさめました。
審査員から … 遠景に鳥甲山が見え中央にはオオヤマザクラ、広角を効果的に使い、手前に迫力あるふきのとうとつくしをおいている。奥行きがあり、近景・中景・遠景ともに上手に主役を使っている。こちらもノミネートは春部門だったが、春を象徴する植物・花が主役の作品として審査員判断で「植物・花部門」に変更せせていただきました。学生部門
津南町観光物産館賞
「石落しの秋」
撮影者 … 内山未有楽
写真説明 … 石落しの岩肌と紅葉がとてもきれいでした。この日は、沢山の人が見玉公園に訪れていたので、人がいなくなるのを待っていたら天気が悪くなり、逆にすごく良い感じになりました。バックの石落としの紅葉と重ならないように工夫しました。曇っていて空があまり綺麗じゃなかったので思い切って切りました。
審査員から … 応募作品が非常に多くなった見玉公園からの石落としを撮影した作品。曇り空の日に撮影し、紅葉の質感と柱状節理の陰影をうまく表現している。空を潔くトリミングしたため色味もうるさくなく、石落としを背景に鮮やかな赤と黄色が引き立っている。池に綺麗に映り込み、配置バランスも非常に良い。スポンサー賞
津南町観光協会賞
「水草の森」
撮影者 … 霜越 弘士
写真説明 … 早朝の龍ヶ窪で、水中の水草が神秘の色あいで輝きだした。龍のように立ち昇る白い霧と静謐な水中の緑が対比して奇跡のような一瞬であった。
ワールドエコ賞
「夏の色」
撮影者 … 比田井友香
写真説明 … 夏の苗場山。山岳遭難救助隊の訓練の場面に出会った。真剣に歩をすすめる隊員達の姿は、天空の楽園の優美さだけではなく、自然のたくましさや厳しさを想起させてくれるものであった。山頂に残る冬の名残を惜しむかのように、地を踏みしめている瞬間を撮影した。登山道にある何気ない場所。隊員達の存在とヘルメットの艶やかな赤、季節の移り変わりを感じさせてくれる雪の白がアクセントとなり、景色をより一層引き締めてくれた。
栄村物産館またたび賞
「錦をまとった布岩」
撮影者 … 岡村昌幸
写真説明 … 今年の紅葉は綺麗でした。特にこの布岩の柱状節理とのコントラストはさらに引き立ちます。岩間から生える木の生命力にも驚くばかりです。遊びに来たかのように、いい感じの雲も現れてくれました。
栄村秋山郷観光協会賞
「秋彩の夫婦滝」
撮影者 … 平野 悟
写真説明 … この時の夫婦滝の紅葉は一番美しいと思った。
雨が降って来たので急いで切明に行く。雨に濡れて鮮やかに発色する紅葉、石や岩は黒く濡れて思い通りの光景であった。
好月賞
「霧氷着床」
撮影者 … 藤利充宏
写真説明 … 苗場山の山頂で1晩過ごして、早朝に山小屋周囲を歩くと下草に霧氷が付いていました。夜間に霧が流れてきた方向からのみに着床していましたが、これも太陽が昇るとすぐに溶けて、元の湿原に戻って行きました。
田舎工房賞
「ジオラフティング」
撮影者 … 小林 幸一
写真説明 … 西大滝から宮中堰堤まではラフティングの隠れた名所です。栄村側には野ノ海高原から流れた火砕流が岸壁を形成し狭い渓谷を激流が流れます。また下流の津南側は、両岸の断崖から流れ落ちる無数の滝や、急流と瀞場が交互に続く変化のあるコースです。
松屋賞
「雪国の夕刻」
撮影者 … 内山未有楽
写真説明 … 初雪の頃、誰でも気持ちが暗くなっている雪国の夕方。信濃川のモヤから出てきた集落と夕焼け色に染まった山がとってもきれいで、雪国に生まれてよかったと思う瞬間でした。
苗場荘賞
「屋敷遠望」
撮影者 … 佐藤吉晴
写真説明 … 秋山郷は厳冬に行くべし!と言う話を聞いていましたが、少し早めに行ってきました。平場は湿った雪でしたがここは別世界の粉雪。天候も味方して朝方の曇り空が着いたころにはご覧のようになっていました。屋敷から遠くの山がとても素敵に映っていました。
旭商事賞
「夕暮れの滝雲」
撮影者 … 大沢正人
写真説明 … 山では雲が滝のように流れ落ちることがある。これを滝雲といい、暖かく乾いた軽い気団があったところに、冷たく湿った重い気団が来て、山を越えて降りていくときに現れる。秋の夕暮れ時に苗場山頂ヒュッテ近くから夕陽を眺めていたら、猿面峰から苗場山頂に至る尾根に滝雲がかかり、北東側(写真右側)の斜面に向かって音もなく雲が流れ落ちていた。
フォトコンテストの詳細
◆賞および副賞◆
○ 最優秀賞 … 1点
現金30,000 円
○ 優秀賞 … 3点
(ジオ賞・エコ賞・カルチャー賞)
10,000 円分相当の商品(魚沼産コシヒカリ10kg+ジオ商品)
○ スマホ・タブレット賞 … 1点
10,000 円分相当の商品(魚沼産コシヒカリ10kg+ジオ商品)
○ スポンサー賞 … 10 点 程度
各スポンサーが用意した商品
(注)賞について
- 各受賞作品はWEB 上で紹介します。また、ニュース誌や展示会の際に作品タイトルと撮影者氏名など一覧を表示します(表彰は行いません)。
- 「スマホ・タブレット賞」… ジオパークフォトがより身近でより親しみやすいものとなるよう、またチャンスを逃さない新たな視点の作品投稿につながるよう、携帯、スマートフォン等での撮影作品を対象に表彰します。
- 副賞のジオ商品は、トマトジュース・水・ジオ菓子・切手など選りすぐり苗場山麓ジオパーク関連グッズを事務局で選びお送りします。(商品は選べません)
































