苗場山麓ジオパーク
「自然資源・文化資源保護憲章」
苗場山麓の主峰である苗場山を、深田久弥は日本百名山に数え、その山容を「鯨の背のように」と形容し、田中澄江は鈴木牧之が感動したお花畑を『花の百名山』に数えました。また、苗場山に近接する佐武流山は、林野庁が「佐武流山周辺生態系保護地域」に定め、その自然が原生的な状態で残っている地域であり、第2の白神山地(世界遺産)とも呼ばれています。さらに、山容が苗場山と対称的な鳥甲山は、串田孫一郎が「道のない山へのあこがれ」として雄峰の素晴らしさを紹介しました。
これら豊かな自然環境が残されているのが苗場山麓の特徴です。苗場山系は火山活動と関わり、悠久の時間の中で地殻変動や雪崩で崩壊し、地形を大きく変え、現在の秋山郷が位置する中津川渓谷を形成しました。そのV字渓谷に残る風穴周辺は、崩壊が生じた時代の古い生態環境がそのまま残されている植物のタイムカプセルです。すなわち、北海道など寒い地域に生息している北方系植物が、苗場山麓では風穴周辺にのみ生息しています。アゾスグリやエゾヒョウタンボクがその例で、北海道では普通に見られますが、苗場山麓では、結東や見倉、切明などの風穴周辺でのみ見られます。さらに、豪雪地帯の山棲み生活では、マタギ文化の残影やアンギン衣の製作技術、渋さらしをともなうトチノミの粉食習俗などが残され、「生きた野外民俗博物館」と称されていることも大きな特徴です。
これらの特徴は、ジオ+エコ+カルチャーの三要素で構成されている地域資源です。ユネスコプログラムは、この三要素で構成される地域資源を保全管理し、持続的な地域振興に繋げる新しい価値を見つけるものです。
私たち苗場山麓ジオパーク振興協議会は、この豊かな自然環境(自然資源)とそれを背景に育まれた雪国文化(文化資源)の価値を共有・共創し、未来の宝物を大切にするためのスローガンとして「自然資源・文化資源保護憲章」を定めました。

